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スタッフブログ

「ナノマシン」あるいは「空と水と土と、そして私たち」

 

 ターンAガンダムの原作『月に繭、地には果実』には、数々のナノマシンが登場する。(2000年前に地球を汚染しつくして月に移住した人類によって)地上に残されたナノマシンが、あたかも生物のようにエネルギー変換や物質変換の一翼を担っている。例えば:

◆太陽電池芝「ホタル草」:
 植生や土壌を改良するように設定されたナノマシンによる品種改良で発生した半自然半人工の芝草。

◆水素原子包接鉱物「フロジストーン」:
 海水浄化のためのナノマシンが海水や海中ミネラルと結合して結晶化した水素エンジン燃料。

◆自己修復型装甲「ナノスキン」:
 酸化膜(錆)などの損傷を修復して金属を永遠に元の状態に保ち続けるナノマシンによって代謝的維持が可能な金属界面構造。

 こうした発想の種本は、たぶん、エリック・ドレクスラーの『創造する機械―ナノテクノロジー』(1986年)だろう。ただし、そのドレクスラーも関与した節のあるJ.ストーズ・ホール『ナノフューチャー―21世紀の産業革命』(2005年)に先んじて書かれている点は、福井晴敏ならではの卓越した取材力の賜物と言えそう。

 ホールの『ナノフューチャー』には、エアロヴォー(aerovore/空気を食べる生物)という二酸化炭素を炭に変換する空中浮遊型ナノマシンが出てくる。そのポンチ絵は下記↓

 こうして比較してみると、福井が描き出したホタル草・フロジストーン・ナノスキン等は、J.S.ホールさらには御大のE.ドレクスラーにも遜色ないイマジネーションに溢れているように思える。

 空と、海・川と、大地・・・そのような広域の環境を守り抜く未来のテクノロジーは?? そうした問いかけを「福岡市産学連携交流センター(FiaS)セミナー」の「空と水と土と、そして私たち」シリーズでも三回だけ試みてみました。でも、やはり、具体的中身となると、なかなかタイヘン。ただ「こころざし」だけは、初回のチラシの案内文の冒頭に記しておいた通り。

 また、「食とエネルギーの未来」(近いうちに公開予定)こそが今後の科学技術に課せられた最大の課題だと感じるから、「土(←農←食)」と「エネルギー」の両方に関わる「太陽電池芝:ホタル草」の斬新なイメージには強く惹かれる。