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スタッフブログ

社会(生活)・経済・政治のスパイラルアップのために。          ~ 極端に偏らないで原点を周回しながら ~

 非電化工房代表、発明起業家、地域循環型環境発明家の藤村靖之先生をISIT市民特別講演会(10/25,SRPビル)にお招きしました。

 もう3年以上まえ当時の同僚の中家啓太さん(最終頁の賛助会員ご紹介の記念写真後ろ右から2人目、右端は山本コーディネーター)と津屋崎のNPOの人たちやローカルアントレプレナースクールの理事さんたちと意見交換した際、彼らの師匠格の人物として藤村先生を紹介頂いていました。それから長くお会いするチャンスがなかったのですが、今年の夏、太陽電池などへの適用を考えて研究開発中のナノパーツ(JSTから大きな支援を頂いています)の基本思想や先進のパーツとしての全く新しいアプリケーションなどに関しご意見を伺うため、連携する企業(M社さん)の仲間(松岡さん)と先生の那須の工房を訪問することができました。そのご縁で、今回、講師にお招きできました。

 藤村先生のファンは福岡にも大勢いて、前日の10/24(水)は、午前はマリンメッセで「事業になる(スジのいい)発明」の話、その夕方には、アクロス福岡1F円形ホールで「月3万円ビジネスのすすめ」という過酷な講演スケジュールでした。そういう経緯で、私たちの職場のあるビルでのご講演は、先生にとっては第3弾の福岡シリーズ最終戦だったわけです。

 第3弾のホスト役の私は、もちろん、前日の2つの講演の両方を余さず拝聴しました。そして大いに感銘しましたし翌日の講演会の成功も確信したのでした。その気持ちは、自身がホストとなる講演会の前に、先生だけにはキチンとお伝えしおきたいと思い、ずっと心に温めていた構想(写真のカラー印字部分)をプリントした紙に、前日、先生がお話になっていたエッセンスを4Bの鉛筆で書き込んたものを「僕の学習レポート」として先生に差し出しました(まあ、学生のレポート提出のような勢いです)。

 カラープリントの図は、新しい社会の仕組みや、それに呼応するような形でサスティナブルな「食と農」のあり方を、ずいぶん一所懸命に考えてまとめていたものです。描いては校正し構成しては枠組みを見直しなどして、10月ごろ、ようやく今の形になりました。

 上の図を経済の局面でみれば、リバタリアニズム(第一象限付近)でもリベラリズム(第二象限付近)でもコミュニズム(第三象限付近)でもアソシエーショニズム(第四象限付近)でもなく、つまり、そのどれかの極端ではなく、それらの本質が最も人々の営みにふさわしい位相においてのみ、それ(本質/エッセンス)を選び取り、隣の位相の別のエッセンスに活かしていく。「真ん中へん」というような安易な妥協でなく、人間性の中心(原点)の周りを、それぞれ位相が異なる領域のエッセンスを確実につかみ取りながら、スパイラルアップして、社会や経済や政治の質を向上させていく。たとえば「成長」と「サスティナブル」はもともと位相を異にするものであって、もうとうに量的右肩上がりなど望めないはずの世界においてさえ「持続可能な成長」というような安易な修飾関係で二つを結んで恰も今までのような繁栄を謳歌しようとしても最早できるものではないと悟りませんかというメッセージです。そして、この循環(実は正のスパイラルになりうると期待している)は、アキシャルに見れば、その質的向上のなかに新しい価値の芽が出てくるはずだとの暗示を含んでいます。 

 下の「食と農」の図は、これからのフードシステムが環境負荷を極小にしながら発展していくためには、地理的・空間的・段階的・心理的な距離の克服がなければならないとすると、こんな絵になるかなと考えながら描いたものです(同僚がたくさんデータを集めてくれて)。ここで避けなければならない極端として枠外に示した4つのキーワードは、それら自体を全否定するというのではなく、こちらの方向に極端に走ることなく、枠内の対応するワードをできるだけ尊重しながら、上図と同じように循環関係を構築すれば、きっと新しい世界が開けるのではないか、と考えてみたのです。

 いやあ、ものすごく脱線してしまいました。話を藤村先生にもどすと、そのように考えて作っていた2つの図の上に、10/24に先生が2つのセミナーでお話しされていたキーワードを鉛筆で上書きしてみると、みるみるうちにすっすっと象嵌のように嵌め込むことができて、なんだか偉そうな言葉を杓子定規に組み込んだような僕の図に命が通うように思われて、これなら藤村先生への恩返しのレポートにはなりそうだと思って、喜々として描き上げて見たということなのです。

 先生は、「おもしろいなあ、土は大事だよね」(二つの図の中間右側)とおっしゃって受け取ってくださいました。ああ、良かった。

 最後に是非知っておいていただきたいことが一つ。<Sweden 2021>についてです。持続可能社会を目指すスウェーデンの国家ビジョン「アジェンダ21」の中に、パス・ファインダー(道の発見者)とタスク・マインダー(仕事管理人)というカテゴリーが出てきます。パス・ファインダーとは、言ってみれば、まさに藤村先生のような考え方やアクションプランを、タスク・マインダーとは、超優秀な官僚さんといった感じ。Sweden 2021の面白いのは、この二つを排他的な対立項として際立たせるのではなく、局面に応じてお互いに役割分担して、全体として最もサスティナブルな環境を国家的に仕立てていくという発想です。ビジュアルな資料と、長い解説記事があります。ご興味のある方は、ぜひ覗いてみてください。