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スタッフブログ

いのちの原風景(1) クマムシの不思議

日本のクマムシ研究のトップランナー鈴木忠先生の本『クマムシ?! 小さな怪物』をワクワクしながら(何しろクマムシは写真のようにカワイイし、体長は0.10.8ミリと芥子粒より小さい!)読んでいると、こんな記述が!

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なんと奴らは水面の上まで水の薄衣をひきずって歩き出てくるのである。そして、そのうちいくつかは、そこで乾いてしまうのだ!なんたることか。こいつらはひょっとして自ら乾くために出てくるのか?乾燥に耐える、というよりも、乾燥が好きなのか?
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 そうなんです。クマムシは乾燥してくると、体内の水の蒸発によって細胞膜やタンパク質の秩序が乱れてしまわないように、トレハロースという糖で体内構造を柔らかに保全した上で、「乾眠(クリプトビオシス)」という不思議な眠りに就(つ)いて、気長に乾燥に耐えるのです。
クリプトビオシスとは、日本語では「秘められた生命」「潜伏生命」との意で、特に乾燥によってそうなる場合は「アンヒドロビオシス(無水
生命)」と呼ばれるそうです。

こうして、いったん、「樽(tun)」のような乾眠状態に入ってしまうと、乾燥ばかりでなく、超低温(液体ヘリウム漬け)、超高圧(6000気圧)、紫外線、電子レンジなどにも耐えるという驚異の耐久性があると言われ、それら条件下での耐久時間などが詳しく調べられ始めているとのことです。

 さて、もう一度、一番上の4コマ写真の左上のショットでクマムシの頭部を見てごらんなさい。黒い点が二つあるでしょ、それらは目です。撮影した鈴木先生の方を向いていたのです、かわいいですね。そして、まだ鈴木先生のつぶやきは続きます・・・

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それにしても、この長寿個体(>58日)が晩年に何度もわざと乾くような行動をしたのは、偶然だったのだろうか。それとも生きるのに飽きてしばらく眠ることにしたのだろうか。こんな考えは穿(うが)ちすぎだろうか。
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(つづく)