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スタッフブログ

南米精神

こりゃあ、まるで散文のランボオだぜ、オクタビオ・パス!

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目覚めると汗をぐっしょりかいていた。水を撒いたばかりの赤煉瓦の床から熱い水蒸気が上がっている。灰色がかった蝶が黄色い光のまわりを目が眩んだかのようにヒラヒラ飛びまわる。僕はハンモックから飛び降りると、隠れ処から涼みに出てきたサソリを踏まないように気をつけながら、裸足で部屋を横切った。

巨大な夜がやさしく息づいている。部屋の真ん中に戻ると水差しの水を金盥に空けタオルを湿らせた。濡れたタオルで上半身と脚をこする。身体の水気を軽く拭き取り、折り目に虫が潜んでいないのを確かめてから服を着て、靴を履いた。緑色に塗られた階段を飛ぶように下りる。

宿の入口で無口な片目の主人に出くわした。籐の椅子に座った彼は、目を半ば閉じ、煙草を吸っていた。そしてしわがれた声で僕にたずねた。「どこへ行くのかね」・・・

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なぜ宿の主人が片目だったか、「青い花束」というタイトルが何を意味するのか。この後わずか三ページ半で話は完結。ラテンアメリカは勝負が速い!

全身の皮膚でヒリヒリと外界を看取する注意深さと、躊躇の無いぶっきら棒さの混雑。

斯くなる文章を熱間欠泉のように一息で吹き上げられれば、どんなにか気持ち良いだろう。