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スタッフブログ

「ナノテク」と「数学」

うれしい光景を見た。残暑の盛り、8月22日の午後、プラズモニックナノパーツの研究打ち合わせで福岡市産学連携交流センター(FiaS)を訪れた際のこと。

(左下から時計回りに、安永、安田、吉原、土屋の博士たち)

ISIT情報セキュリティ研究室(我々は2研と呼んでいる)と同ナノテク研究室(4研)の研究者4名がFiaS2階のオープンスペースで真剣に議論していた。2研の安田・安永両博士が4研の土屋・吉原両博士に「群論」のレクチャーをしていたのだ。(2008年10月にISITに次長として着任して以来ずっと夢見ていた光景だ。なんと嬉しいことだろう、この自発的な相互啓発の清々しさは。)

これまでのナノテク、特に有機材料系の場合は、新機能化合物の合成とそのモデル実験的機能発現が革新性の核となって、有機化学者独特のイマジネーションと卓越した有機合成技術に支えられたプロフェッショナルな科学技術分野を形成していた。そんな中で、ISITが世界に一歩先んじて進めてきたのが超分子アーキテクチャだ。たくさんの相互作用を縦横に駆使してメソスケールの機能性高次構造を形成していく。

そうした研究の流れの中で、物理的構造のモデル化に必須の「群論」の考え方は外せないという意識が4研から2研の数学者コンビへのアプローチにつながったようだ。こうした創発の火を日常空間で灯すことができるのは、ISITの研究所としてのコンパクトさ故かもしれない。このメリットは、これからもっともっと活かしていってほしい。