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スタッフブログ

価値創造の動的プロセス(行動のための思考法)

 「この人、不死なのか」と錯覚するほど、野中郁次郎さんの新刊は、たいへんな力作。

 職場で買ってもらって早々「占い本」を扱うように無作為にページを開いてみる。面白い。実例として挙げられている最新の「事実」たちが、野中チームのナレッジマネジメントのコンセプトを次々に補強したり、深めたり。いやはや、筋の良い方法論は、やはりすごいもんだなと改めて感心。

 いくつかの暗黙知を「見える化」(形式知化)して、関連付け、連結して(ここのプロセスは、たとえばKJ法とかアブダクション・アプローチを使ってもいいと思うし、結果としてみたらシュンペーターのイノベーションの日常版みたいな感じ?)、それを、またひとつの新しい形式知として、いったん骨肉化して役立てる。知が身心に内面化されるということは、懐深い知識となって、その人の感受性を高めるということになって、まあ、これが言ってみれば、ホット?なブラックホールみたいに強烈な引力を発して、外から「知の匂い」のある新しい暗黙知を嗅ぎつける。こうして、表出(意識化)→連結(新結合)→内面化(咀嚼)→共同化(社会知化)→・・・斯くなるSECIプロセスは、お馴染みの通りなのだけれど。

 「もしかしたら、これは、ひょっとして、<行動するための思考を育てるメソッド>なのかも?」と気付いてしまえば、すべてマネー換算でしか価値を評価できなくなっている自分たち(この「自分たち」は、歴史的には国民国家が出来上がって以来の<人間>と括っていいかもしれない)にとって、ものすごく大きな風穴になるのではないかな・・・

 なんだか「真夏の昼寝の夢」の如きアバウトな話になってますね、申し訳なし。

 中身(いろんな図があって、それぞれに啓発的)の荒い味見を終えて、もう一度、表紙を開き直して、「はじめに」から、目を通し始める。なになに↓

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・・・ビジネスの本質とは、
利益の最大化のために競合他社を凌ぐことではなく、
その企業に特有の「卓越性」(excellence)を求め続けることである。
卓越性の追求は、その企業の価値観やビジョンに基づいて、
(もちろん)企業体自身だけでなく、
従業員・顧客・株主などのステークホルダーとの関係よりも更に広く、
社会的な「共通善(common good)」に
貢献しようとする姿勢(attitude)を醸成する・・・・
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 たしかに、組織として、「共通善(common good)」が視界に入るように個々の構成員の眼が澄んでくると、共同して回すSECIプロセスは、確実にスパイラルアップの軌跡に載るだろうなあ・・・・

 夏の夢に終わらせるのはもったいないな。スパイラルアップによって「不可逆性」を越え、未来創造の手ごたえによって「不可予言性」を越えるわけだから・・・・