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スタッフブログ

“歯をくいしばって”(“今までになかったこと”続編)

チャーリー・ブラウン、ライナス、ルーシー、スヌーピー、ウッドストックなど、シュルツの描くピーナッツの世界に親しく触れていたのは中学生の頃だっただろうか?記憶の底の方に釣り針を下すと、いくつかのシーンを引っ張り出すことができる↓

☆クリスマスなのにいつものように落ち込んでるチャーリー・ブラウンにライナスがイエス誕生の夜の話を聖書から引いて「これがクリスマスさ」といってチャーリー・ブラウンを微笑ませる。

☆小鳥のくせに飛ぶのが下手なウッドストックが、犬小屋の屋根に寝そべっているスヌーピーの鼻先に飛んできて(1コマ目)、何やら「******」せわしく語りかけて、またあらぬ方向に飛んでいってしまう(2コマ目)。すると、3コマ目でスヌーピーは起き上がって、改めて空を見て、それから、4コマ目で、読者に向き直って、スヌーピーがこうつぶやく:「ボクは、良い空を持っている(I have a good sky!)、だって」。

☆もう一つが、これ↓

 

「何だって “歯をくいしばって” やれば、きっとうまくいく!」と必死の形相で好球を狙うチャーリーブラウン。でも、あっけなく三振!ああ、せめてギリギリの内野安打でも打たせてやりたかったのに・・・

子供のころは、今思えば、本当に些細で小さなことにも、本気で真剣に”歯をくいしばって”立ち向かった(立ち向かおうとした)ことがあったなあ。それに比べると、今はちょっと白けた気分をだましだましみたいな・・

そんな日々の中、久しぶりに、 “歯を食いしばって” という言葉を、大の大人が数百人の観衆の前で語っているのを聴いて、不覚の涙を落とすところだったのです。

発言者は、東大素粒子物理准教授でILC戦略会議議長を努めている山下先生。7/9の午後にホテルニューオータニで開催された「ILCアジア-九州推進会議講演会」の発表後のQ&Aの中で。

 

いわく:

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確かにコンピュータがありインターネットがあるのだから、世界の研究者が一か所に集まる必要は無いように感じられるのかもしれません。

じゃあ何故、みんなCERNに集まっているのか。

プログラムを作りデータ解析を始めコンピュータが勝手に動いている間・・・研究者は何をやっているかと言うと、みんなで議論している。集まって、次にどういうやり方でやったらいいか、というのを必死で議論している。

Face to Faceじゃないと本当の議論はできないということだけじゃない。

議論の中で激しい競争があって、そこでリーダーシップを取っていくことは、研究者にとって死活問題。ちょっと離れていると他の人がリーダーになってしまう。

だから、そこに行って、 “歯を食いしばって”  議論し続けて、

自分のアイデアを認めてもらって、さらに議論を深めていく・・・それが競争、それが研究。

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当日UST録画の手伝いをしてくれていた職場の中村沙紀さんがQ&Aを書き留めてくれていたから、こうして振り返ることができるわけですが、文字にしてみると改めてグッときます。何を解明するために、どのような着眼で、巨大な実験設備をどのように駆使すればいいのか、というのは、実験屋・理論屋を問わず、まさに命がけの競争なんですね。

「実験できるなら、ヒマラヤの頂でも南極でも行く」という彼らに巨大施設ILCとともに来てもらおうというなら、九州の人たちも東北の人たちも、自分たちの地域の振興のことばかりでなく、彼らの目指すものの意味を自分たちなりにイマジネーションして、本気で彼らを応援して、それによって自分たちも「宇宙の原理」の解明の手助けをほんの少しでもしているのだというプライドを持てることの幸せを考えなきゃなあ・・・・

だって、 “歯を食いしばって” 何かに挑戦している人がいれば、ついつい応援してしまうじゃないですか。

(注:7/9「ILC講演会」の前報はコチラ↓)
http://www3.isit.or.jp/staff-blog/archives/1595