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スタッフブログ

カルチェラタンのラ・ボエーム

かつて布施明が歌っていた「カルチェラタンの雪」はとてもロマンチックな曲で、それをプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」(舞台は同じくカルチェラタン)の世界に投射すれば、ボヘミアン詩人ロドルフォが、薄幸の恋人ミミを想って絶唱しているように聴くこともできる:

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 雪が降る 鐘が鳴る
 くちづけは歩きながら
 カルチェラタンの哀しい灯りが
 凍りつかないうちに
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ところが、このさわりの冒頭の「雪と鐘」を「夢と愛」に替えて歌われているバージョンもあって、それはさらにラ・ボエームの世界を想わせる・・・
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 夢がある 愛がある
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オペラでは、詩人ロドルフォ、画家マルチェルロ、音楽家ショナール、哲学者コルネーリが、若く貧しい芸術家の仲間で、カルチェラタンの屋根裏部屋で共同生活している。そこへ、(日本でいえば)雪女のようにミミが入って来て、ロドルフォと恋に落ちるが、ミミはやがて肺の病で死んでしまう。
 
(↓ここから先は「カルチェラタンの雪」の歌詞のイメージで)
 やがて元の生活に戻った四人だけれど、雪の日になるとロドルフォは、ミミが何事も無かったかのように自分のもとに帰って来る白日夢を時々見るようになる。
 その日も雪で、ミミの気配を感じたロドルフォが、一人カルチェラタンの屋根裏部屋から外に出てみると、そこには凍えそうな姿のミミが微笑んで立っている:
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 悪かった
 もう泣かせたりしない
 だから早くコートを着て
 友だちにおやすみを言って
 抱き合って家に帰ろう
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おまけ)
 幻冬舎文庫に村松友視の「オペラグラス」という短編集があって、ラ・ボエームを4人のおじさんチームの話に焼き直した小編が収録されています。トイレットペーパーの芯を静かに燃やすシーンはなかなかの雰囲気。よくこんな道具立てで滑稽にならずに描けるもんだなあ・・・