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プロジェクト
エネルギー自立分散

前期活動内容

調査ヒアリング活動(2013.10-2014.01)

本調査研究の対象は、エネルギー創造の新たな仕組みと、エネルギー消費の新たな仕組みに関します。創造についてはエネルギーの変換と蓄積、消費については直流給電システムと熱利用システムを掲げました。先のプロジェクト概要図の右上が、これら調査項目に相当します。下記に抜粋して再掲しておきます。

 図中の大きな矢印は、エネルギーの活用(消費)を通じて創ることの意味と波及効果を考え纏めていくという本調査の姿勢を表しています。
そこで、まず、消費について述べます。民生のエネルギーの最終消費の形態は電気と熱にほほ当分されます。したがって、熱の直接的な製造と消費が過度な電力依存からの脱却させてくれる可能性があります。また、家庭内電力の供給時・使用時のAD/DA変換ロス(電力消費の5-10%)を解消するための直流給電システムの可能性を明らかにしていきます。
一方、エネルギーを創る側では、太陽光エネルギーを「光電」変換して、その電力を直接利用する他、電気化学セルを駆動させ水分解してエネルギー貯蔵可能な水素を得るか、太陽光エネルギーを「光熱」変換して、その高熱状態を利用して燃料電池の逆運転によって水蒸気から水素を得るかなど、複数の「技術セット」の洗い出し、それぞれにおける最適な技術連結のルール、用途・環境に適した技術セットの選択ルールを見つけ出す試みに挑戦します。

 この図は、2013年10月から2014年1月までの4ヶ月間の調査ヒアリング活動の実績です。①~③がエネルギーの創造、④~⑦が消費、⑧が蓄積をテーマとしています。一方、⑨~⑫は、エネルギーを消費するシステムの中で創造のための装置やサブシステムをどのように配置していくか、つまり、住宅設計や電力ネットワークに関する新しい考え方を実証しようとする動向の調査となりました。
この間の調査で明らかになったことは、3.11(東日本の震災と福島の原発事故)を境として、スマートハウスやスマートシティの考え方が、ユーザ指向のシステム構築よりも国家レベルのエネルギー戦略に則った電力消費コントロールの方向に大きくシフトしていたという事実です。具体例を一つ挙げるなら、ユーザの利便性と省エネの両方を狙った宅内直流給電システムよりもスマートメータをキーデバイスとした電力管理システムの方向に企業の研究開発の力点が移っていました。ただし、そうした大きな流れの中で、太陽光発電設備がFIT制度に乗って全国に導入され分散発電の仕組みの基礎構築が始まったこと、徐々にではありますが太陽熱利用の研究開発や実証実験がバイオマス熱利用と競う形で進み始めたこと(太陽熱は戸建中心、バイオマスはエリア規模という棲み分けの傾向)は、これからのインテグレーションに大きな示唆を与えるものと思います。
また、⑨~⑫の調査と次節の産官学の動向調査を意識的に関連付けながら、本調査研究を社会システムとの関わりの視点から見直す作業を追加することにしました。

産学官の枠組みを意識した情報収集

 ⑨~⑫のヒアリング活動を補完する情報収集を行いました。自然エネルギー利用システムを自立分散的に社会導入するシナリオ構築へ向けた取り組みになります。

ここで見えてきたことは、二つの大きな考え方があることです。
ひとつは、既存のシステムを大きく変える仕組みを既存のシステムとの併存の中で広めていく戦略としての「①デジタル・グリット」、「②九州全体で社会とエネルギーのシステム的融合」があり、この二つのアイデアは非常に多くの示唆を含んでいます。(分野は農業に限られますが、中規模自立連合という観点の「⑦ファーム・アライアンス」は考え方の方向は大いに参考になりました)
もうひとつは、コミュニティそのもの(④)、コミュニティの中の居住空間(③、⑤)、コミュニティの中での新しい労働スタイル(⑥)に共通する居住空間の再構築の動き。自立分散的なエネルギーシステムの導入先として際立って効果的な可能性を秘めています。
以上の知見を元に、次の章(「Abduction as a Strategy」)で、今後の調査の方向性を再構築してみます。

参考リンク情報

[Ⅰ] 太陽光発電 標準化・ユーザネットワーク・メンテナンス・リサイクル

・太陽電池モジュール信頼性評価連携研究体
https://unit.aist.go.jp/rcpvt/ci/r_teams/module/

1.PVシステムの保守点検方法や故障診断手法https://unit.aist.go.jp/rcpvt/ci/r_teams/PVSA/index.html

 ・太陽光発電所ネットワーク(PV-ownerネットワーク)http://www.greenenergy.jp/guide/index.html

・太陽電池の大量普及に伴うリサイクルシステム構築(北九州産業学術推進機構)see:p14-
http://www.pvtec.or.jp/pvnews/pdf/65.pdf 

[Ⅱ]地域の活動(行政、市民)

・北九州スマートコミュニティ創造事業とダイナミックプライシング
http://www.kitaq-smart.jp/saasiteminfoths/listview?nn=SMT&sg=102
http://shiten.icsead.or.jp/kouza/SSC_report1_ida.pdf 

・スマートコミュティ事業で行政と市民を繋ぐ、世界への情報発信(NPO里山を考える会)
http://www.satoyama.cn/kokosuma.html

 ・福岡スマートハウスコンソーシアム
http://www.smartenergy.co.jp/fukuoka/ 

・東長崎エコタウン(環境エネルギーによる街づくり)
http://www.nias.ac.jp/enec/midori.pdf

・エネルギー利用効率化のための離島エネルギーシステムの「見える化」(宮古島市エコアイランド推進課)
http://www.city.miyakojima.lg.jp/gyosei/ecoisland/index.html 

・スマートエナジージャパン2014「エネマネハウス(5大学からのモデルハウス提案)」
http://www.low-cf.jp/enemane.html

 ・再生可能エネルギー・省エネルギーの普及、持続可能なライフスタイル構築の市民活動(REPW
https://www.facebook.com/REPW8

 [Ⅲ]要素技術、学会・研究会活動 

・化学蓄熱技術(千葉大学・小倉研究室)
http://ogura-lab.tu.chiba-u.jp/chp_ja.htm 

・マルチポーラスバガス炭の光熱変換(琉球大学・近藤研究室)http://www.u-ryukyu.ac.jp/top_news/chizai14_2012090301/

・太陽光エネルギーを化学エネルギーとして貯蔵・輸送(東京大学 GS+I 総括寄付講座)http://www.gsi.u-tokyo.ac.jp/event/archive/symposium201107/pdf/20110711_GSISympo2-4_Prof_MasakazuSUGIYAMA_UT.pdf

 ・日本太陽エネルギー学会太陽熱部会
http://mcweb.nagaokaut.ac.jp/~solar/ 

[Ⅳ]社会とエネルギーシステム 

・デジタルグリッド:電力をインターネット化、自然エネルギー共存社会、新市場創出http://www.tel.co.jp/museum/magazine/environment/111218_interview/index.html

・発送電規模と技術の身近さ(九州大学炭素資源国際教育研究センター)
    – 大規模: 高効率/一元管理/リスク集中
    – 地域規模: 都市型/スマートグリッド/交通連携
    – 住宅・タウン規模: 高機動/柔軟/リスク分散

・自立循環型住宅設計ガイドライン:オープンインテグラルな技術集積の場のフォームとして
http://www.jjj-design.org/project/index.html

 [Ⅴ]持続可能社会に向けた新たなコミュニティの可能性

 ・日本総研・高橋進(5.地方再生←成長中核圏形成←集住・減築とインフラ・サービス集積)
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=23828

 2030年代をみすえた機能統合型コミュニティ形成~都市型一万人コミュニティ・流通の外部効果~
http://www.ristex.jp/korei/03event/sympo2/pdf/sympo2_H24ogawa_tPJ.pdf

 ・「学校施設老朽化対策ビジョン」3.(3)環境面:エコ改修・再生可能エネルギー設備導入http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/013/005/shiryo/attach/1322770.htm

 ・4省連携(国交省・厚労省・総務省・経産省)テレワーク推進:ワークプレイスづくり→都市の混雑解消
http://www.twp-forum.com/documents/index.html

 ・自立農業経営体の連合存立(ファーム・アライアンス)
http://www.farmalliance.net/ファーム-アライアンス-コンセプト/

テクノロジーアーキテクチャー委員会

第1回「エネルギー自立分散」プロジェクト推進会議

<参加者>
近藤義和(琉球大学・教授)、小野尋子(琉球大学・准教授)
藤井克司(東京大学・特任教授)、栗原隆(ISIT)
<日時・場所>
2013年11月27日PM 琉球大学産学官連携推進機構
<論点>
① 地域ユーザー指向の立場で「都市計画(普天間跡地利用、宮古島エコアイランド)の実行部隊」との連携を推進する。
② ドイツ・オーストリアの太陽熱利用における地域経済循環の成果を高く評価
⇒ 日本における太陽光熱利用技術の棚卸
⇒主体の設定:独墺では地域住民連合、日本では、ユーザ指向の産官学民連携
<会議後の展開>
①藤井アドバイザーらが応用物理学会で「エネルギー地産地消シンポジウム」で宮古島エコアイランド推進課長を招聘。本調査研究グループも他の講師選定に協力。宮古島市役所との連携を強化。
②琉球大学の光熱変換技術、千葉大学の化学蓄熱技術のユーザ指向のシステムデザインの可能性を検討。
<今後の会議日程>
第2回:中期活動とりまとめ(6月末 東京あるいは福岡開催予定)
第3回:後期活動および全体のまとめ(9月初旬 宮古島あるいは福岡開催予定)

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