ここから本文です
研究室
生活支援情報技術研究室

有田 大作 (Daisaku Arita)

R-GIS (ロボットGIS)

R-GISとは

R-GISのコンセプト

背景と目的

生活空間を移動する生活支援ロボットの実用化のためには,移動ロボットが現在地や目的地を知るために,地図などのロボット周辺の環境情報が必須です.そこ で本研究では,環境情報を保持しているロボット用地理空間情報システム(R-GIS)サーバを構築し,個々のロボットはネットワークを介してR-GIS サーバから環境情報の提供を受け,また個々のロボットが観測した環境情報をR-GISサーバに蓄積することによって,ロボットに最新の環境情報を提供する ことを目指しています.

従来のロボットの課題

これまでの多くのロボットでは,ロボット開発者がそのロボット専用の環境情報を構築していました.これは,そのロボットの性能を最大に発揮することができ るという利点があります.しかし,ロボットごとに専用の環境情報を構築する必要があるため,ロボットの活動範囲を拡大することは困難でした.
一方,ロボットが自己位置推定と環境情報構築とを同時に行うSLAMに関する研究も数多く行われてます.これは,自動的にロボット用の環境情報が構築され る点において非常に優れています.しかし,そのように自動構築された環境情報だけでは,ロボットと人やロボットどうしで位置に関する概念を共有していない (例えば人に「〇〇に行って」と言われても,ロボットには〇〇の場所が分かりません)ため,人やロボットとコミュニケーションを行わなければならない生活 支援ロボットとしては不十分です.

R-GISによる課題解決

R-GISでは,人が通常利用する地図やロボットが計測した環境情報をR-GISサーバに保持し,各環境情報間の重ね方(=座標変換)を定義し,ロボット との間で環境情報の相互提供を行います.このようなR-GISサーバにが実現されることにより,(1)個々のロボット専用の環境情報を構築する必要がない こと,(2)SLAM機能のような高度な機能を持たないロボットでも環境情報を取得できること,(3)ロボットとロボット,および人とロボットとの間で位 置に関する概念が共有されることから,生活支援ロボットの普及への課題の一つを解決できます.

デモ

福岡市東区のアイランドシティ中央公園内にあるレンガ住宅周辺での実験映像です.シナリオは以下の通りです.

  1. オペレータが,ユーザが待っている目的地(ここではアーチ)を指示する
  2. 車いすロボットは目的地まで移動するために必要な環境情報(ポテンシャルグリッドマップ)をR-GISサーバから取得する
  3. 目的地まで自律移動する
  4. そこでユーザが乗り込む
  5. ユーザが操縦して,行きたい場所に移動する
  6. 新たに指示された目的地に自律移動する

車いすロボットの位置姿勢推定には,オドメトリとトータルステーションの計測結果を統合しています.トータルステーションは測量機器で,トータルステー ションから(車いすロボットのポールの先端につけられています)ミラーへの距離と方向を,自動追尾しながら実時間で求めることができるものです.

R-GISコンソーシアム

獲得予算

主な研究発表

  1. 寺岡 章人, 松岡 毅, 家永 貴史, 有田 大作, 荒屋 亮, 木室 義彦, 地図コンテンツ業界の方法論によるロボット用環境情報の構築と利用の分離 -マップデジタイズ法によるロボットを用いない環境情報構築-, 日本ロボット学会誌, Vol.30, No.3, pp.324-331, 2012.04. [URL]
  2. 有田 大作, 家永 貴史, 荒屋 亮, 寺岡 章人, 木室 義彦, R-GISを利用した移動ロボットの空間情報取得, ロボット学会学術講演会, pp.3P2-7, 2010.2010.
  3. 寺岡 章人, 荒屋 亮, 有田 大作, 家永 貴史, 木室 義彦, R-GIS:移動ロボットによる障害物登録モジュールの実装と実験, ロボット学会学術講演会, 3P2-6, 2010.09.
  4. 木室 義彦, 荒屋 亮, 有田 大作, 家永 貴史, 村上 剛司, 楊 智梅, ロボット地理空間情報システムR-GIS, 日本ロボット学会誌, Vol.27, No.8, pp.868-876, 2009.10. [URL]