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情報セキュリティ研究室

情報セキュリティ研究室

ISEC参加報告

■参加会議名:情報セキュリティ研究会 (ISEC)
URL:http://www.ieice.org/ken/program/index.php?tgid=IEICE-ISEC
■日時:2015年11月6日~11月7日
■場所:神奈川大学横浜キャンパス
■主催者:電子情報通信学会 ISEC, LOIS, SITE
■報告者:ISIT情報セキュリティ研究室  安田貴徳 研究員

謝辞

本研究集会参加および発表に関し、報告者は下記の研究費の支援を受けております。
総務省戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)平成27年度イノベーション創出型
研究開発フェーズII(no. 0159-0016)

概要

電子情報通信学会内の情報セキュリティ研究会(ISEC)、ライフインテリジェンスとオフィス情報システム研究会 (LOIS)、技術と社会・倫理研究会 (SITE)の3研究会合同研究集会が神奈川大学で行われた。報告者はISECにおいて研究成果発表を行い、関連研究を聴講した。ISECは年に6回定期的に開催される。今回の合同研究集会は2日間開催されたが、報告者は自身の発表のある2日目の最終セクションのみに参加した。そのときの参加人数は約20名であった。以下、聴講した講演2件の概要と自身の発表内容について説明する。

講演

  • 講演1 石田俊一(九産大)「合成セルオートマトンを用いた暗号化システムについて」
    局所遷移関数の合成を用いて複雑なセルオートマトンを生成できる。可逆な遷移関数を用いることで公開鍵暗号が生成できる。1次元2状態セルオートマトンの局所遷移関数は命題論理式で表現できる。文字列に対し、命題論理式で局所遷移規則を表した群上のセルオートマトンにより合成セルオートマトンを作成し、公開鍵暗号の公開鍵、秘密鍵を生成している。今後は状態遷移に関する計算方法の改良と高速化が課題だそうである。発表後の質疑応答で、送受信における鍵長と暗号文、平文サイズがRSA2048ビット相当だとどれくらいになるのかとの質問があったが、今回は数学的原理を調べただけなので今後の調査課題であるとの回答であった。
  • 講演2 鈴木涼太(神奈川大学)、森田光(神奈川大学)「アクセストークンを用いたDDoS攻撃削減のための動的フィルタリング」
    DDoS攻撃の対策としてはターゲットに至る通信パケットを一様に削除する方法が知られている。しかし、通常の通信パケットと攻撃による通信パケットを区別しないこの方法では、ユーザーにとっての利便性を著しく損なうことになる。この対策としてはホワイトリストを用いた方法が既に提案されている。しかしながらこれもユーザーのIPアドレスが動的に割り当てられるケースや、ユーザーのアクセス場所が変化するケースに対応できない。本講演ではあらかじめユーザークライアントを識別するためのアクセストークンをIPヘッダーに内包させ、DDoS攻撃による通信パケット増加時にこのアクセストークンを含まないパケットは除去する方法を提案した。この方法だと通信リソースの物理的・論理的制約を受けない。

報告者発表

「NTRUの群環を用いた拡張とその応用」
報告者は最終セッションで成果発表を行った。報告者は過去に群環NTRUと呼ばれる格子ベース暗号NTRUの拡張方式を提案していたが、本発表ではその群環NTRUを部分復号という技術に応用するという内容であった。部分復号の既存技術を拡張し、群環NTRUで実現することに成功したものである。この部分復号状態はグラフで表すことができ、様々なグラフを群環NTRU、特に多変数NTRUに変換して実現することができるという内容であった。聴講者は約20名、講演時間は発表20分、質疑応答5分であった。
質疑応答:
Q1. (水木准教授(東北大))部分復号の秘密鍵の取得方法や復号化方法について再説明が欲しい。
A1. 秘密鍵の分配者がグラフの上段に位置する頂点に対応する人のみである。復号化にはまず暗号文を部分暗号文に変換してから受け取った部分秘密鍵で復号を行う
Q2. (山下研究員 (NEC))グラフは何段くらいまで伸ばすことが可能か?
A2. 理論的には何段でも可能であるが、実用性を考えると3段くらいまでが良い。