ここから本文です
研究室
情報セキュリティ研究室

情報セキュリティ研究室

ISEC研究会参加報告(2015/3/2, 3)

■参加会議名: 電子情報通信学会 ISEC研究会(IT研究会及びWBS研究会と合同開催)

■日時:2015年3月2日10:30~3月3日15:55
■場所:北九州市立大学 国際環境工学部 ひびきのキャンパス
■報告者:ISIT情報セキュリティ研究室 穴田 啓晃 研究員
謝辞:本出張の出張費に関し,報告者は 株式会社KDDI研究所 より支援を受けております.ここに深謝申し上げます.

■内容:ISEC研究会は電子情報通信学会ISEC研究会(情報セキュリティ研究会)が年6回程開催する研究会で,途中成果も含み最新の研究成果が報告されるため情報収集に好適である.今回はIT研究会及びWBS研究会との共催であり,ISEC研究会のみでも30人程の参加者を集め,意見交換にも好適であった.以下に発表3件・特別講演1件について聴講事項を抜粋し,概要と所感を報告する.

(左)北九州市立大学の新しく立派なひびきのキャンパス.(右)周辺には九州工業大学や早稲田大学などのキャンパスも集まっており,学術研究都市となっています.

 

32(1)

■研究発表“Accelerating QUAD Stream Cipher using Optimal Extension Field on GPU”ISIT田中(哲士)研究助手,安田研究員,櫻井室長ら).量子計算機の強力な計算能力が実現した後にも解読が困難な暗号の高速実装に係わる研究発表であった.会場からは,数学的構成の工夫のしどころについて質問があり,田中殿からは,複数の組み合わせを検討した上で最適選択をした旨の回答がなされた.

■研究発表 “A rapid filtering rule management plane implementation using distributed in-memory caching system”NICT 安藤氏).最近研究が盛んなSoftware Defined Networking (SDN)の技術に関する研究発表であった.ネットワーク設計上の経験則であるCAP定理:“Consistency” “Availability” “Tolerance to Network Partition”を全て満足することは不可能,に触れられた後,SDN のネットワーク可視化のメリットに関し説明がなされた.分散されたDataplaneと集中化されたControllerについて見通しの良い説明を聴くことができ情報収集となった.

(左)ISIT田中研究助手からは次世代暗号に関する発表.(右)懇親会は大いに盛り上がり,意見交換が活発に見受けられました.

 

33(2)

■研究発表スパース構造学習を用いた異常検知によるボットネット検出実験ISIT向井研究助手,川村研究助手,川喜田特別研究員,竹内特別研究員).ISITが受託しているPRACTICEプロジェクトに係わる分散型サービス不能攻撃 (DDoS攻撃.典型的なサイバー攻撃の一種)”についての研究発表であった.攻撃ホストの協調関係の推定に,通常の構造学習を用いた場合とスパース構造学習を用いた場合で比較した結果について,説明がなされた.会場からは,比較評価に用いた実データの妥当性について質問があり,向井殿からは,今後適用データを広げて評価していく旨の回答がなされた.

■招待講演 暗号方式の高速で安全な実装と実用化”(㈱東芝 川村氏)(座長は櫻井室長).川村氏が東芝にて長年携わった研究開発の御話であった.御話は二つあり,一つめは東芝が大きなシェアを握ることとなったICカードに組み込む暗号モジュールの研究開発についてであった.RSA暗号の一部の計算を外部に依頼する際,秘密鍵の情報が漏れないかを数学的に評価したもので,質疑応答時には櫻井室長から,最近のクラウドにも適用可能な数学定理ではないかとのコメントがあった.また二つめは,一般のICから漏れる電磁波から漏洩する情報を利用したサイドチャネル攻撃(秘密鍵盗聴)に関するもので,標準評価ボードを用いた対策技術の開発の体験談を聴講でき,情報収集となった. (以上)

(左)ISIT向井研究助手からはボットネットの検出に関する発表.(右)特別講演では櫻井室長が座長.