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情報セキュリティ研究室

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CHES2014 及び 併催ワークショップ FDTC2014, PROOFS2014 聴講報告

■参加会議名:16th Workshop on Cryptographic Hardware and Embedded Systems (CHES2014), 11th Workshop on Fault Diagnosis and Tolerance in Cryptography (FDTC2014), 3rd Workshop on Security Proofs for Embedded Systems (PROOFS2014)
■日時:2014年9月23日9:05~9月27日16:30
■場所:パラダイスホテル(296, Haeundaehaebyeon-ro, Haeun dae-gu, Busan)
■報告者:ISIT情報セキュリティ研究室 穴田 啓晃 研究員
謝辞:本出張及び会議参加に関し,報告者は下記の研究助成金の支援を受けております.ここに深謝申し上げます.

  •  JSPS科研費 若手研究(B)「非可換構造を用いた多変数多項式公開鍵暗号の設計と解析」(研究代表者:安田 貴徳)

■内容:Workshop on Cryptographic Hardware and Embedded Systems (CHES)は,ハードウェア及び組み込みシステムに実装された暗号の研究に関するワークショップである.この技術領域では例年世界最多の参加者数であり,また権威ある国際暗号研究協会(IACR)の主催する四つのワークショップの一つでもある.年ごとにアジア・欧州・米国を巡って開催されるが,今年はアジアの釜山にて開催された.同時に,FDTC2014及びPROOFS 2014も開催された.参加者数はCHES2014が約320名,FDTC2014が約100名, PROOFS2014が約50名であった.日本からの参加者は18名で,内訳は,大学教員が12名,民間企業から3名,独立行政法人/公益財団法人から3名であった.
本報告者はこれらのワークショップに参加し,情報収集及び意見交換したので報告する.

(左)パラダイスホテルのロビー.立派な会場でした.(右)参加者数約320名と大盛況となりました.

■CHES2014(9/24-26開催).会場は満席で,今年も高い関心を集めていることを伺い知ることができた.セッションでは,127の投稿の内から選ばれた33件の発表が行われた(採択率26%).中でも論文賞は日本の研究者(東北大の本間准教授ら)で,この技術領域で日本人が活躍していることを知り刺激となった.また最先端の研究として,量子コンピュータの実現後にも安全と言われる格子暗号についての(試験的な)実装評価が発表されたり,更に基調講演では自動車間通信における認証やプライバシーが論じられたりと,ホットトピックの情報を収集することができた.他,本報告者はドイツのESCRYPT社の社員と意見交換した.同社が共催した自動車情報セキュリティ国際会議escar Asia 2014(東京)で本報告者が講演し,またescar 2013(ドイツ)には櫻井室長が参加,escar2014には松本研究員が参加予定のこと等,ISITが関心を持っていることを説明した.

(左)基調講演は自動車情報セキュリティ;V2Xコミュニケーションのセキュア化.ホットな話題でした.(右)産学からの熱心な発表と聴講(対称鍵暗号).

■FDTC2014(9/23開催).暗号のハードウェアを意図的に故障させる手法により秘密鍵の情報を入手する攻撃法のワークショップである.フランスの研究者らによる発表 “On Fault Injections in Generalized Feistel Networks” では,暗号の設計によく組み込まれる《Feistel構造》について提案があった.質疑応答ではCHES2013で発表された方法との関連が問われ,緊迫感があった.なお,参加者のうち過半数が欧州もしくは米国からのようであった.これは(特に欧州で)スマートカードや自動車等,ハードウェアの情報セキュリティを扱う企業が多いのが一因と察せられた.

■PROOFS2014(9/27開催).参加者は少なめであったが,実装評価のみならず理論上の取扱いも論じた熱心な発表があった.中でも基調講演 “Verified cryptographic implementations: how far can we go? ” では,サイドチャネル攻撃(実装)と証明可能安全(理論)の関連付けを,プログラミングのソースコードを通じて試みており,目新しいのみならず奥行きの深さを感じた.

(左)PROOFS2014の会場.ワークショップも盛況でした.(右)海雲台(ヘウンデ)の海辺.CHES2014はロケーションも素晴らしかったです.

(以上)